いいとこどりを顧みて、鑑み、省みる

「いいとこどり」
「良いとこ取り」

ずっと以前に流行っていた表現で、最近あまり聞かれなくなった言い方ですが、自分自身は「いいとこどり」を自慢するタイプではないと思っていました。「良いところ」だけじゃ仕事にならないから、 苦手も得意も手あたり次第に、調べてやれるだけのことはやってきたと思っていて.. ですが、振り返ってみると、相当頑張ってきたつもりでいて、これだけしかやってこなかったのかなと、顧みて、ふと振り返って考えてみました。お給料をもらっている仕事の中で、よく使う部分ばかりを繰返してきた経験に過ぎなかった、通勤して仕事してお金がもらえたこと自体が「良いとこ取り」だったんじゃないかとか。

エクセル、ワード、アクセス、パワーポイント、PCでOfficeを操作する「専門」ならば、Officeスキル程度のことは極めるべきなのではなかったか、コツコツと極めて知識や技術を積み上げ、勤務先の現況を鑑みて、問題解決のために、さらに追究すべく仕事にのぞむべきではなかったか、と省みたりします。本が書ける先生方や、業界同業の諸兄が、同じ職場で出っくわす事などめったになかったりします。別の環境で仕事している彼らだったら、あのような状況では、どんな風に問題解決するだろう。あまり考えたことがありませんでした。

読みかけのエクセル参考本が部屋に積んであって、全部マスターしたわけではなく「良いとこどり」の状態で何年も読みかけのままで、それでも仕事にしていました。WinXPの頃のエクセル本で、その頃登録に伺った派遣会社に戴いた「ロゴ入り付箋紙」がページに貼り付けてありました。イエローとピンクと色違い、登録会社2社の別々の付箋です。登録したのは10年以上前の事だったと思いますが、その頃は多少勉強する気で読み進めていたのだと思います。(余談ですが、登録2社いずれもその後にお仕事まで繋がったのですが、イエロー社が登録1年後、ピンク社の方は登録後5~6年後に就業があったと思います。)

エクセル本 (筆者:社会工学博士) の装丁やサンプル例は覚えていましたが、仕事で使える部分を抜粋して流し読みして、それほど中身を理解していなくて、良い本なのか、自分にはそれほど役に立たない本なのかもよく解らないほど専門的な内容で、表計算から集計検索、財務や統計~階層分析法などまで、エクセル関数に関連付けされたサンプル例は、ゲーム感覚なんだけど、やや難、でこれを読破すればエクセル専門になれるかも、だけど得意なエクセルが苦痛になりそう、と躊躇っていたのだと思います。

その後、エクセル・ワークショップ・ブログのネタを考えていた頃に「いいとこどり」して感覚的に参考にした部分があったかもと記憶しています。 PCやOfficeのバージョンアップで、すっかり古くなったその本がいまだに手元に残っていたのは、いつか読めばいいし、読破したいと漠然と思っていたからだと思います。

学校の教科書のように、手元の本を全ページ読んで理解したところで「コンプリート」、仕事に直接使わない部分だから関係ないし、意味ない内容は避けて飛ばして「いいとこどり」したと思ったとしても、コンプしていなければ、そういう自分自身が専門の中でアップグレードされていないままなのかもしれません。

「いいとこどり」は、取れたその時は夢見心地でいい気分ですが、その時点で取らなかった部分や選ばれなかった物事がすべて手つかずで放置されたまま、おそらく何年も経った頃に「いいとこどり以外」の部分が回ってきたり、 返ってきたりするものかもしれません。「いいとこどり」して他は全部捨てた、と思い込んでいて、そのうち、何故か捨てたはずのゴミ箱が目の前に置かれてしまったりします。捨てた中身に、必修単位のような項目が含まれていたとすると、何年経っても待たれていて、結局いつかやらなければ締まらない、夢や目標が適わない要因かもしれません。

また、「いいとこどり」と「いいとこどり以外」と2つに分けて良い方を選んだのかというと、「いいところ」以外を除くというだけでは、あまりいい気がしないかもしれません。 「いいとこどり」は、全体の1/3~ 1/4 でも、取り過ぎではないかというイメージがあります。 もっと「いいところ」をセレクトして、全体の 1/8くらい、好みや得意ばかりを狙って得られたという満足感が「いいとこどり」の語感を満たすとすると、よく使う項目や仕事で使える部分が全体の1/8 の割合で、専門を極めるには、取らなかった残りの 7/8 結局やらなければならないのか、あとで、ということになるのかもしれません。

パワーポイントにしても、自分自身がOfficeアプリの中であまり使ったことがありませんでした。サンプル・スライドで最低限のメニューを知っている程度で、サポートを受けた事もほとんど経験がありませんでした。機能バージョンアップがいつからだったのか把握するのも、後回しになってしまい、気になっていたかもしれません。最近たまたまパワーポイント本 (筆者:公認会計士) を読んでいて、サンプル・スライドのデザインをひと通り手順通り作成してみました。数十件のサンプル実例を一気に作成、パワポ・デザイン体験してみたことで、なにかと使えそうな操作が身につく実感がありました。

本で見たスライド・デザイン・サンプル例を「いいとこどり」して、持ちネタ・コンテンツをスライドにコピペして手習いしてみました。改めてスライド作成の難しさ、苦手意識を改めてまた感じたので、やっぱりなにもやっていなかったかもしれません。スライド作成した経験がないので、サポートを受けることもなかったのだと思います。パワポのスライドで、ブログに埋め込みする画像や動画形式で保存したり、Webページのコンテンツが作れます。パワポ活用してみようといまさら思っているところです。パワポ・スライドでコンテンツ作成できるようになると、思考回路がもっとシンプルに、整理できるようになれるかもしれません。

「顧みる」は「歴史を顧みる」「自己を顧みる」などと使われ、振り返って考えるという意味で、「回顧」「顧問」などという熟語があります。

「鑑みる」は「手本に照らして考える」や「他とくらべ合わせて考える」という意味で、手本となる人のことを「人の鑑」「先生の鑑」などと表現されます。

「省みる」は「過去の自分の行いについて深く考えること」で「反省」や「内省」という熟語があります。

「いいとこどり(良いとこ取り)」の 英語表現を調べてみると

~ Good Things

~ The direct translation of iitoko-dori is “taking good points” or “collection of advantages.”
いいとこ取りを直訳すると「良いところを取る」「長所を集める」という意味になります。

~ meaning that someone takes only the favorable parts of a matter without accepting its disadvantages.
ある人が物事の欠点を受け入れずに、良い部分だけを取ることを意味します。

「いいとこどり」とは、

~ 複数のものから、自分に都合のよいところだけを取ること。

~ 全体の中から、良いところだけを取り出して組み合わせたもののこと

~ 良い側面だけ取り上げること

広告文などは、良い部分を強調して的確な短いキャッチフレーズで表しています。新商品のコピーなど、専門的なモノに関する説明文はまったく間違いないはずなのですが、「いいとこどり」の広告文にまどわされたとか騙されたとか、誤解されることも多いものです。