「トリミング」がわかると、1枚の画像や1本の動画でいろいろ遊べるようになると思います。トリミングはサイズ調整して、元のメディアを部分的に、見せたい部分を切り出すテクニックになりますが、トリミングした各メディア、画像と画像、短い動画と動画を繋いで、動画ストーリーを作り、見せたい順番に並べることで動画を完成していきます。
1回の再生で完結する動画等の場合、エンディング用メディアを作ることがあります。「ロゴ入り画像」を作成して数秒挿入したり、また視聴者向けにリンク先URLや、follow me, message please, などメッセージ入りアニメーションを追加したり、また、エンドロール動画を作成してエンディングを効果的に演出する場合もあります。
エンディングなしでショート動画がループ再生(同じ動画が繰り返し自動再生)されるサイトもよく見られますので、必ずしもエンディング用のメディアが必要なわけではないかもしれません。
動画編集アプリでは、タイムライン上に並べた各メディアの切り替えやエンディング等の部分に、視覚的な効果を設定することができます。たとえば「フェード」、 動画のエンディングに「フェードアウト」を設定します。「フェード」は動画編集アプリによって挿入方法が異なりますが、Windows無料動画編集のClipChampの場合は、プロパティパネル(画面右端たてメニュー内のアイコン)の「フェード」で操作します。動画の最終の位置に配置したメディアを選択した状態で、フェードアウトのバーをスライドさせて秒数を設定します。
また、並べたメディアの切替えにフェードを用いる場合、前のメディアの右端、終わりの部分に「フェードアウト」と、次のメディアの左端、はじまりの部分に「フェードイン」を設定して、前のメディアが消えるタイミングで次のメディアが見えてくるという効果を作るテクニックです。2つの動画を上下の別トラックに配置します。よく見る効果で良いのですが、この方法では手作りになりますので、ツールバー(画面左端たてメニューのアイコン)の「切り替え」を展開して、いろいろと出ている場面切り替えの効果の、1番上「クロスフェード」をタイムライン上のメディアの切り替え位置にドラッグアンドドロップ操作します。クロスフェードを設定することで、前の場面がフェードアウト、次の場面がフェードインされるという切替え効果が、ひと手間で設定できます。
他の動画アプリで「クロスフェード」が見当たらない場合、「ディゾルブ」と呼ばれるエフェクトがあれば、同様の切り替え効果が設定できます。AdobePremirePro等の動画アプリでは、エフェクトの「ディゾルブ」「クロスディゾルブ」等になります。PremireProではオーディオのトランジションに「クロスフェード」があるかもしれません。
いろいろな切り替えは、「ドラッグアンドドロップ」で追加しますが、「切り替え」を一度で問題なく設定するためには、前の画像(動画)と次の画像(動画)が同じタイムライン上に隙間なく配置されている必要があります。 ツールバーからタイムラインへドラッグアンドドロップ操作するタイミングで、「切り替え」位置が「緑色 +」マークで示されますので、目安になると思います。
左右に並べたメディア同士が、少し離れていると「 ゴミ箱(このギャップを削除)」のマークが出てくるのでクリック(タップ)して隙間を消します。間隔が程近く狭くなるとギャップを削除のゴミ箱が表示されず、手動で調整しなければなりません。AdobePremirePro等のタイムラインで「リップル削除」と同様です。
また、切り替え効果を変更したい場合、設定した「切り替え」を削除、再選択しなくてもタイムライン上のメディア内で「切り替え」部分を選択した状態でプロパティパネル側(右端側)に出てくる「トランジション」アイコンから、他の切り替え効果が選択できるようになっています。この方法の場合、効果を選択するだけで切り替えが完了していて、ドラッグアンドドロップは不要です。
トランジションとは、移り変わり、変遷などの意味で、動画編集において、カットとカットの間をつなぐ効果(エフェクト)のことです。前のカットから後ろのカットへ映像が移り変わる際のつなぎ目をスムーズに、印象的に見せる効果があります。
パワーポイントでプレゼンテーション・スライドを作成する際に、「画面切り替え」に、同様のトランジション・メニューがあります。
ClipChampの「プロパティパネル」でもう1つ、「オーディオ」アイコンについて補足してみたいと思います。 タイムラインに音声を配置して、メディアを選択、「オーディオ」を開くと、「音量」と、雑音を除去する「ノイズ抑制」設定があります。切り離した音声メディアを選択して「ノイズ抑制」をON設定することで、ノイズが自動的に除去されて、鮮明な音声にすることができます。音声を入れた場合、「ノイズ抑制」ONを操作しておくと良いと思います。動画をエクスポートして共有・公開した場合に評価が上がるかもしれません。
また、インポートする動画メディアにあらかじめ音声が入っている場合、動画から音声を切り離すことができます。(ClipChampでは、音声入り動画をタイムライン上にドラッグアンドドロップなどで配置すると、右隅に白いスピーカーのオーディオ・マークが入っています)音声入り動画をタイムラインに配置した際に、メディアを選択した状態で「オーディオのデタッチ」を操作します。少し待っていると、動画と、その動画から切り離された音声が、別々にタイムライン上に再配置されています。
「デタッチ detach」とは、切り離す、取りはずす等の意味です。 (反対語は アタッチ attach 接続する、付属する、取り付ける等の意味です。)
デタッチされた動画と音声を、それぞれエクスポートしてMP4形式で保存、別メディアにして再度インポートしたり、また別プロジェクトで取り込みして利用できるメディアファイルが作成できます。
他の動画編集アプリでもそれぞれに、動画から音声を切り離す設定があると思います。動画から切り離した音声を消したり、切り離した音声を部分的に抽出して編集したり、 別のBGMを取り込みしたり、 いろいろと遊べるようになると思います。